2022.8更新再開。アメリカ編完結を刮目せよ。

フランス⑥(パリ)パリのクリーンナップたち

いきなり!ルーヴル

パリを観光できる最終日。朝6時に起きて朝食をかき込んだ。

宿泊していたホステルは、朝食に無味無臭のパンとフレークを提供してくれる。

客は僕のような若くて地に足がついていない旅人ばかりだったので、皆それを黙って貪り食う。

それがこのホステルの朝の光景だった。

ちなみに、朝食係のおじさんがものすごい形相でにらんでくる理由は結局最後まで分からなかった。

午前8時、開館一時間前にルーヴル美術館に到着した。

残念ながら僕の前には20人程すでに並んでいたが、早起きした甲斐があったと嬉ションしそうになりながらお目当ての美術品たちに考えを巡らせた。

絶対に見たいのはもちろんモナ・リザ。

それにミロのヴィーナスとドラクロワの「民衆を導く自由の女神」は這ってでも見ようと決めていた。

午前9時開館。ゆっくりと鑑賞したかったのでまずは人が少なそうな方に行ってみた。

彫刻が並ぶコーナーだった。

彫刻には詳しくはないから流して観たが誰もいない中、だだっ広い空間に彫刻と共に放り出された感じがして、一生そこから出られないような気がした。

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それぞれの位置に当たり前のように座しているため、置かれているようには見えない。彼らは意思を持ち、そこに住んでいるのだ

それから、様々な展示物を半日ほどかけて見て回った。

ステーキは添えられた甘いニンジン(あれの存在意義は本当に分からない。)、ブロッコリーを先に平らげ、時間をかけて肉と向き合う。

ラーメンを食べる際も、味玉は最後の最後まで死守する。

僕は好物を残しておくタイプ。

美術館でも同じ。モナ・リザや、群衆を導く自由の女神、ミロのヴィーナスは退館直前に拝もうと決めていた。

Are  You もなりざ?

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モナ・リザと初対面。意外と人見知りをする僕は、普段通りモナ・リザの面前でもモジモジしてしまった

これが、あの、モナ・リザ。

なるほど。

意外と、小さい。

確かに、多くの人が魅了されるのは分かる気がする。

ミステリアスな雰囲気、微妙な表情。

そしてモデルが誰なのかはっきりとわかっていない。自身のバックグラウンド等多くを語らずに謎に包まれている女子がクラスで人気票を得る現象を世界規模で体現している。

そして何より驚かされるのは彼女を包む熱気だ。

世界中から多くの観光客が押し寄せるルーヴル美術館だが、いかんせん内部が広いため人口密度はそこまで高くない。

しかし、彼女の前の人間密集度合は通勤通学時の総武線各駅停車三鷹行きのそれをはるかに超える。

唯一違っているのは、多くの人の頭上にカメラが浮いていることだ。

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モナ・リザという絵が世界に認知されておらず、「その他大勢の絵」として飾られていても、同じように彼女に吸い寄せられるのだろうか。

本当にその絵の価値や貴重さを理解しているのだろうか。「自分は本物のモナ・リザを見た」という満足感に浸りたいだけではあるまいか。

紛れもなく僕はそんな下衆の一人だ。

モナ・リザにさよならをした僕はお気に入りのドラクロワの代表作「民衆を導く自由の女神」を拝んでルーヴル美術館を後にした。

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正確には「民衆を導く自由」という作名だ。マスケット銃を携えている男性はドラクロア自身だとか

ルーヴル美術館編はここまで。

他にも超タレント級の絵画や彫刻をたくさん見たが、それはあなたに直接ルーヴルに足を運んで見てほしいので、ここでの紹介は控えよう(このブログにおける割愛の常套手段であることにそろそろお気づきだろうか)。

次こそは、エッフェル塔に向かい、夜は妖艶で淫らな場所に行く。

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