ハリウッドデビュー
グリフィス天文台の丘をUberで下った僕たちはハリウッドにいた。
徒歩の機動力がこんなに高いなんて。
とにかく、僕たちも晴れてハリウッドデビューしたわけだ。
この時期のSNSを見ると多くの友人がここロサンゼルスはハリウッドを訪れていたが、皆はここで何をするのだろう。
僕たちは「ハリウッドに来た」という事実だけで満足したため、ただただ足元に埋め込まれているスターの名前が彫られたプレートを眺めながら歩いた。
さて、2時間ほどこのダウンタウンにも滞在したし、次はサンフランシスコを目指そうか。
排泄についての争い
つかの間の地面の感触を楽しんだ僕たちはRVに戻り、僕と石原が駐車場で運転を練習した。
しかし、このままロサンゼルス市街を脱出するには心許ない。継続して冨澤がハンドルを握ることになった。
ロサンゼルスを抜けると、あとはひたすら北上するのみだ。途中石原が運転デビューを果たし、冨澤は運転の役務から開放された。これで2分の1が運転可能の「人材」に。
僕たちがその日の寝床に選んだのはロサンゼルスからサンフランシスコ間の道中のRVパーク。
RVパークとは、アメリカ随所に見られるRV向けの有料パーキングエリアのようなもので、排水や上水の補給・シャワー・洗濯機などのライフラインが使えるRV生活において不可欠なスポットである。
冷たい雨が降りしきる中、僕たちはワーキャー言いながら慣れない排水作業を行いーー誰が一番排泄したから自分でホースを持てとか、そんなのは平等じゃないから嫌だとかそんな幼稚な争いはしなかったはずーー、楽しみにしていた夕食をキッチンで調理してちょっとした宴を。
ふう。やっぱり旅先で飲むビールに優る飲み物を僕はまだ知らない。
さて、起きたらサンフランシスコに向かう途中のシリコンバレーにも寄ってみよう。