旅の構成要素
多くの場合、一つの物事は複数の事象、物質から構成されている。
高校の化学なんかはまさしくそれを学習する科目だし、中学校三年生の国語の授業で習う井上ひさしの小説「握手」に登場するルロイ修道士も「困難は分割せよ」という名言を作中の後半で残している。
旅も同じだと思う。
人、食、景色、多くのポイントが加算されて一つの旅になる。
美しい景色をたくさん観ることができたハワイ旅行だったとしても、すべての食事が日本から持ってきたコンビニおにぎりだったらどうだろう。ーーそれはそれでいいのかもしれないな。旅にはそれぞれの価値観が反映されるわけだから、それでもいい!という人だっているだろう。食費を抑えて交通費や入場料に回す。僕だって似たようなことやっているではないか。価値感の限定や押しつけは良くない。
ただ僕はーー少なくともこの記事を書いている23歳社会人一年目としての僕は、人、食、景色等、すべての要素をバランス良く加算した旅をしたいと日々思っている。
僕は「朝食、昼食、夕食以外では一切物を口に入れない」マイルールがあるーー仕事中は城壁が作れそうな勢いでガムを噛んでいるがそれは最終的に吐き出すのでノーカウントだ。ただし、旅行中は例外。現地の物をどんどん口に入れ、舌、胃袋でも旅をすることにしている。人も同様。危険な香りのする人間以外とは時間の許す限り交流することを意識している。
今回のフランス旅を彩ってくれたのは紛れもなく「人」だった。
あなたは酒を飲んだら何をする?一般的なのがカラオケ、麻雀そしてダーツあたりだろう。面白いことに、そこに国民性が垣間見える。フランスでは何をするかって一択さ。
ペタンク!!もう一度言う。ペタンク!!気持ちいい響き。ペタンク!!もしこの記事を読経中に読んでいないのなら、皆さんも声に出してみよう。ペタンク!!
やってみると案外難しいペタンク。
ボーリングとカーリングを足して2で割ったような競技で、集中力が要される。
しこたま飲んだ僕たちはそのまま就寝した。
翌朝、マックス等、遊んでくれた面々に別れの挨拶と再会の約束をした後、ロメオの友人のベルギー人の運転するメルセデスでアヌシー駅に送ってもらい、スイスはジュネーブ行きのバスに乗り込んだ。
さて、長かったフランス編はようやく完結。
次回はスイス編をお届けする。