優雅なソウルでの日々
同行者が一足早く帰国したため、3日ほど一人で過ごすことになった。
安宿に移動し、日中は軽く仕事をし、夕方ぐらいから出かけるということを繰り返していた。
そんな中、街中にはソウルにも東京と同じぐらいシェアサイクルが浸透していることに気が付いたので乗ってみた。

自転車に乗ったはいいが、特に行く場所があるわけではないので適当にソウルの街中を滑走した。
「パラサイト」で主人公の一家が住んでいたようなザ・下町感のある場所を探しながら。


このあたりは東大門から10分ぐらいの場所だが、それでもだいぶパラサイトの世界観に近づいてきている。
次第に坂がキツくなってきたので、自転車を止めて徒歩で歩いてみた。

しばらく歩いてみると、公園が出てきた。


謎の遊具の中に入ると、内部は4層構造になっており、ロープでできたジャングルジムを上へ上へと上った。私は27歳である。小学生たちからの視線が痛い。
登りきると、展望台になっており、ソウルの中心部を一望できた。

さて、今度は漢江沿いをサイクリングしてみよう。
30分ほどかけて、ソウルの大河「漢江」に向かった。




ブラックジャック
その日の夜、私は一勝負に出た。
社会人になって初めてカジノへ行った。

挑むはもちろんブラックジャック。
同じ卓についたのは見るからに胡散臭そうな日本人の若者と中年男性2名だったが特に会話をすることはなかった。
拍子抜けするぐらいに勝ちを重ね、気づけば所持金が倍になっているではないか。
今回は地下鉄の終電で帰れる時間に切り上げようと決めていたた。
終電までは残り1時間。
このまま早めに帰ってもいいが、もう少し楽しもうじゃないか。
そんなことを考えているうちにディーラーが変わった。
小太りのおばちゃん。トランプ遊びなら七並べぐらいしか知らなそうなぐらい庶民的な顔つきをしている。
よし、彼女からもう少し巻き上げて帰ろう。そう思い私はチップをセットした。
この日の私は引きが良かった。
それまでもそうだが、そのおばちゃんから配られるカードもべらぼうに強い。
私の手持ちは20。もちろんステイ。
しかしおばちゃんはのほほんと21(ブラックジャック)を出しやがる。
これも1回や2回ではない。
焦っているうちに私の所持金は0になった。
ゑがぺろは目の前が真っ暗になった。
ディーラーがおばちゃんに変わった時に帰ればよかった。
帰りは屋台でローストチキンとビールを買って、韓国初めての飲酒をして締めくくった。
